• 検索結果がありません。

【決算レポート】海運大手各社の173 期決算の注目点 ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 17d0122 2

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2018

シェア "【決算レポート】海運大手各社の173 期決算の注目点 ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 17d0122 2"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1/ 3

http://www.jcr.co.jp/

17- D- 0122 201 7 年 5 月 1 2 日

海運大手各社の 17/ 3 期決算の

注目点

海運大手各社(日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社)の 17/ 3 期決算および 18/ 3 期業績予想を踏まえ、 株式会社日本格付研究所(J CR)の現況に関する認識と格付上の注目点を整理した。

1. 業界動向

海運市況は 16 年前半に底を打ち、持ち直しつつある。ただ、荷動きが底堅く推移するものの、依然供給 過多は解消されていない。全般的に船腹需給が緩く、市況は緩やかな回復にとどまっている。本格的な市況 回復には時間を要すると想定され、厳しい事業環境がしばらく続くと考えられる。

コンテナ船市況は 16 年に底を打ったとはいえ、上値が重い。北米航路のスポット運賃は 16 年の韓進海運 の経営破綻などを背景に上昇に転じたが、17 年の年間契約の運賃交渉では海運各社の予想レベルには及ばな かったとみられる。16 年は中国遠洋運輸集団と中国海運集団の合併、世界最大手マースクによるハンブルク スード買収、国内大手 3社による定期コンテナ船事業の統合などが発表され、業界再編が進行した。しかし、 スケールメリットを追求した船腹量1 万 TEU を超える超大型船へのシフトに伴う供給拡大が続いており、船 腹需給の改善が進んでいない。

ドライバルク船ではバルチック海運指数が 16年 2月を底に回復基調にある。特にケープサイズは中国で 鉄鉱石の輸入量が増えており、市況が持ち直しつつある。パナマックス以下も同様、市況は 16 年前半でボ トムアウトした。ただし、新造船の竣工量がピークアウトしたとはいえ、現状の供給過多が解消するには至 っておらず、市況回復力はしばらく弱いと考えられる。

タンカーの市況は軟調に推移している。中国やインドの原油需要は今後も緩やかに増える見込みであるが、 新造船の竣工量が今後大幅に増加する計画となっている。需給ギャップは拡大する可能性が高く、当面の市 況は弱含みで推移していくと想定される。

2. 決算動向

海運大手各社の17/ 3 期業績は厳しい内容となった。海運大手の経常利益合計額は13/ 3 期から 15/ 3 期ま で3 期連続で改善し、回復基調にあった。しかし、16/ 3 期は996 億円(前期比45. 9%減)と 4 期ぶりに悪 化し、17/ 3 期には259 億円の赤字となった。海運市況が歴史的安値まで落ち込み、3 社とも経常減益となっ たうえ、日本郵船と川崎汽船については構造改革費用の負担などを背景に親会社株主に帰属する当期純利益 がそれぞれ1, 000 億円を超える赤字となった。とりわけ大幅に落ち込んだ川崎汽船は 523 億円の経常損失。 16/ 3 期の構造改革やコスト削減の効果があったものの、コンテナ船やドライバルク船の市況低下による影響 や海洋資源開発および重量物船事業の不振をカバーできなかった。日本郵船については定期船や不定期専用 船など主力事業が赤字となったものの、不動産業で不動産信託受益権売却など一時利益が寄与し、10 億円の 経常黒字を確保。商船三井は 16/ 3 期のドライバルク船における構造改革効果や安定した不動産事業が下支 えとなり、経常利益 254 億円と黒字を維持した。

(2)

2/ 3

http://www.jcr.co.jp/

車船事業の不振なども加わり、業績の回復力は弱い。なお、前期と比較し、日本郵船が増益、川崎汽船が黒 字転換に対し、商船三井については 4 期連続の減益予想である。主因はエネルギー輸送事業の悪化である。 財務面では海運大手各社の 17/ 3 期末 DE レシオ(商船三井及び川崎汽船の劣後ローンの資本性を勘案せ ず)は1. 9倍(16/ 3期 1. 5倍)と悪化が続いている(図表 2)。商船三井が最終黒字確保と劣後ローン調達 によって、自己資本が増加に転じたのに対し、日本郵船と川崎汽船では最終赤字で自己資本を大幅に毀損し たうえ、フリーキャッシュフローの赤字から有利子負債が増加した。

18/ 3 期も財務構成の改善は進みにくいと想定される。業績低迷に伴いキャッシュフロー創出力の改善が 遅れる一方、継続的な船舶投資を背景に投資キャッシュフローが高止まりし、日本郵船と商船三井について はフリーキャッシュフローの赤字が予想されている。また、最終利益の改善度合いも小さく、自己資本の増 加幅は限定的と考えられる。

3. 決算に

格付上の

注目点

18/ 3 期の定期コンテナ船事業の損益動向に注目している。同事業では川崎汽船が黒字転換、日本郵船が 損益トントン、商船三井が赤字予想と方向性が異なる予想となっている。なお、16 年 10 月に発表された国 内 3 社の定期コンテナ船事業統合による収益の本格的な貢献は19/ 3 期以降であり、18/ 3 期には立ち上げ費 用なども織り込まれているもようである。コンテナ船市況の動向とともに 17 年 7 月設立予定の合弁会社の 円滑な立ち上げが進むかフォローしていく。

次に、国内3 社が強みとする自動車船事業の改善状況も注目される。自動車の生産量は今後も緩やかな増 加が見込まれている。しかし、リーマンショック以降の自動車メーカーの海外生産移管を背景とした輸送効 率の良い日本出しの減少に加え、自動車需要の地域別変化もあり、収益環境は変化しつつある。足元では中 近東向けの輸送が振るわず、配船効率の向上が課題となっている。

財務面では自己資本の拡充など財務基盤の強化が必要と考える。日本郵船は17/ 3期に、商船三井は16/ 3 期に、川崎汽船は 16/ 3 期と17/ 3 期に多額の特別損失を計上し、自己資本を大幅に毀損させた。海運市況は 底を打ったとみられ、さらなる収益悪化リスクは当面後退したと考えられるが、中期的な収益変動リスクを 踏まえると自己資本の拡充は不可欠となる。中期的な収益水準、財務構成の改善見通しを注視し、格付に反 映させていく。

(担当)水川 雅義・小野 正志

(図表 1)海運大手 3 社の業績推移 (単位:億円、%)

売上高 前期比 営業利益 前期比 経常利益 前期比

売上高 経常利益率

親会社株主 に帰属する 当期純利益

前期比

日本郵船 16/ 3 期 22, 723 ▲5. 4 489 ▲26. 0 600 ▲28. 5 2. 6 182 ▲61. 7

(9101) 17/ 3 期 19, 238 ▲ 15. 3 ▲ 180 - 10 ▲ 98. 3 0. 1 ▲ 2, 657 -

18/ 3 期予 20, 080 4. 4 245 - 230 約 22 倍 1. 1 50 -

商船三井 16/ 3 期 17, 122 ▲5. 8 23 ▲86. 5 362 ▲29. 3 2. 1 ▲1, 704 -

(9104) 17/ 3 期 15, 043 ▲ 12. 1 25 10. 1 254 ▲ 29. 9 1. 7 52 -

18/ 3 期予 16, 100 7. 0 90 251. 8 220 ▲ 13. 5 1. 4 100 90. 2

川崎汽船 16/ 3 期 12, 439 ▲8. 0 94 ▲80. 4 33 ▲93. 2 0. 3 ▲514 -

(9107) 17/ 3 期 10, 301 ▲ 17. 2 ▲ 460 - ▲ 523 - - ▲ 1, 394 -

18/ 3 期予 11, 300 9. 7 240 - 210 - 1. 9 210 -

3 社合計

16/ 3 期 52, 284 ▲6. 2 607 ▲53. 8 996 ▲45. 9 1. 9 ▲2, 037 -

17/ 3 期 44, 584 ▲ 14. 7 ▲ 615 - ▲ 259 - - ▲ 3, 999 -

18/ 3 期予 47, 480 6. 5 575 - 660 - 1. 4 360 -

(3)

3/ 3

http://www.jcr.co.jp/

(図表 2)海運大手 3 社の財務推移 (単位:億円、倍)

自己資本 有利子負債 D/ E レシオ EBI TDA

有利子負債 / EBI TDA

営業キャッシュ フロー

投資キャッシュ フロー

日本郵船 15/ 3 期 8, 103 10, 838 1. 3 1, 755 6. 2 1, 364 267

(9101) 16/ 3 期 7, 736 9, 278 1. 2 1, 613 5. 8 1, 428 ▲468

17/ 3 期 5, 224 9, 344 1. 8 839 11. 1 279 ▲ 1, 446

商船三井 15/ 3 期 7, 825 11, 584 1. 5 1, 146 10. 1 924 ▲1, 591

(9104) 16/ 3 期 5, 409 10, 219 1. 9 1, 053 9. 7 2, 091 ▲266

17/ 3 期 5, 719 11, 019 1. 9 1, 016 10. 8 176 ▲ 739

川崎汽船 15/ 3 期 4, 415 4, 919 1. 1 1, 052 4. 7 1, 018 ▲111

(9107) 16/ 3 期 3, 553 4, 808 1. 4 622 7. 7 396 ▲295

17/ 3 期 2, 194 5, 138 2. 3 41 122. 8 ▲ 439 ▲ 248

3 社合計

15/ 3 期 20, 343 27, 341 1. 3 3, 954 6. 9 3, 307 ▲1, 435

16/ 3 期 16, 700 24, 305 1. 5 3, 289 7. 4 3, 916 ▲ 1, 031

17/ 3 期 13, 139 25, 501 1. 9 1, 897 13. 4 16 ▲ 2, 434

(出所:各社決算資料より J C R 作成)

【参考】

発行体:日本郵船株式会社

長期発行体格付:A 見通し:ネガティブ

発行体:株式会社商船三井

長期発行体格付:A - 見通し:ネガティブ

発行体:川崎汽船株式会社

長期発行体格付:BBB 見通し:ネガティブ

■留意事項

本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また

はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、

的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また

は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、

金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因

のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ

って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも

のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として

発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ

を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。

■NR S R O 登録状況

J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。

■本件に関するお問い合わせ先

参照

関連したドキュメント

、コメント1点、あとは、期末の小 論文で 70 点とします(「全て持ち込 み可」の小論文式で、①最も印象に 残った講義の要約 10 点、②最も印象 に残った Q&R 要約

業況 DI(△9.9)は前期比 5.9 ポイント増と なり、かなり持ち直した。全都(△1.9)との比 較では 19

本事業は、内航海運業界にとって今後の大きな課題となる地球温暖化対策としての省エ

東北地方太平洋沖地震により被災した福島第一原子力発電所の事故等に関する原

瀬戸内海の水質保全のため︑特別立法により︑広域的かつ総鼠的規制を図ったことは︑政策として画期的なもので

年間寄付額は 1844 万円になった(前期 1231 万円) 。今期は災害等の臨時の寄付が多かった。本体への寄付よりとち コミへの寄付が 360

次のいずれかによって算定いたします。ただし,協定の対象となる期間または過去

 この決定については、この決定があったことを知った日の